センスのいいオリジナルノベルティが作成できれば、販売促進や企業イメージアップに効果を発揮します。
この記事では、企業のイメージアップに効果的なノベルティ制作のポイントや、受け取った人が長く使えるノベルティ素材を考えていきます。
センスのいいノベルティを作るには戦略が必要
ノベルティとは一般的に「宣伝目的で無料配布される記念品」のことを言います。他社と差を付け、「センスがいい」と言われるノベルティを作るにはどんなことを意識すればいいのでしょうか。
オリジナリティと「使い続けたくなる」デザイン
ノベルティは「無料配布されるもの」なので、自社名を入れていたとしても有料で手に入るようなものは、基本的にノベルティとは呼びません。
社名入りのノベルティを長く使い続けてもらえれば、会社を身近に思ってもらえて、PR効果がさらに期待できます。
そのためには「使い続けたくなるデザインと品質」が大前提。そして自社ならではのオリジナリティも欠かせません。
「〇〇円以上購入で」など特典の効果も
ノベルティは基本的に無料配布されるものですが、「〇〇円以上購入でプレゼント」という条件のもと配布されることもあります。
また、購入者特典の場合も「ノベルティ」と呼ばれます。なぜなら、ノベルティ自体を購入してもらうわけではないからです。
購入者特典としてノベルティをつけると「800円のものを買う予定だったけれどなにか小物もプラスしようかな」「いつか購入しようと思っていたけど、せっかくだからこのキャンペーン中にここで買っておこうかな」と思ってもらえます。
ノベルティにコストがかかっていても、その分以上に売り上げが伸びるのなら成功です。
また、売り上げに直接の影響がなくても、ノベルティを受け取った人の満足度が高ければ、自社のファンを育てるベースづくりになるでしょう。
センスの光るノベルティはバランス感覚重視
ノベルティは「配って終わり」になってしまうと目的を果たせません。配った後でそのまま捨てられてしまうような事態は絶対に避けたいものです。
それでは「実用性があり、長く使ってもらえるノベルティ」とはどのようなものなのでしょうか。
一般顧客向けはバランス感覚のあるおしゃれなデザインを
一般顧客に向けて配布するノベルティはデザイン性の高さが重要です。
第一印象で「かっこいい・素敵・可愛い」と思われるほどに見込み客の満足度が高まり、長く使ってもらえる可能性が高まります。
しかし、企業側の「広告のために目立たせたい」という意識が強すぎ、社名・商品名を大きく入れたデザインにしてしまうと、いかにも「宣伝用です」という雰囲気のものになります。これでは受け取った人は使うのをためらってしまうでしょう。
一方、デザイン性を重視しておしゃれに仕上がっているノベルティなら、普段から積極的に使ってもらいやすくなり、ノベルティとしてのPR効果が高まります。
また、洗練されたデザインのアイテムをノベルティとして渡すことで、「この企業はさすがセンスがあるな」と思われ、イメージアップに大きく役立つでしょう。
B to B用ノベルティは実用品が好まれる
一方、一般顧客ではなく法人相手に配布するノベルティは4色ボールペンやタンブラーなど、すぐに社内で使ってもらえるような実用性の高いアイテムがおすすめです。
配布したノベルティを先方のオフィスで使ってもらえれば、周囲の人が社名やロゴを目にする機会が増えてPR効果を発揮します。
法人向けにはほかにも名刺入れ・卓上カレンダー・マグネットなど、デスク周りに置いてもらえるアイテムがおすすめです。
ただし、カレンダーのように同じ時期に複数の頂きものが集まるアイテムの場合、ライバルに勝って手元に残してもらうためには、やはりセンスの良さを感じさせるデザインと実用性を兼ね備えていることが重要になるでしょう。
話題性がある、センスのいいノベルティ
もらった人が話題にしたくなるようなセンスのいいノベルティができれば、会社のイメージに大きく関わってきます。
話題性があるノベルティを考えるときにまず意識したいことは、先述した「おしゃれ」に加えて「トレンド」を盛り込むことです。
コロナ禍でマスクケースがノベルティに
2020年の話題として、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、一人ひとりにマスクの着用が求められるようになりました。
こうした状況においてトレンド感のあるアイテムといえば、マスクケースが挙げられます。
マスクケースは飲食店など、外出先で一時的にマスクを外した際や予備のマスクを持ち歩く際に重宝します。
デザイン性が高いおしゃれなマスクケースのノベルティなら、受け取った人に喜んでもらえます。
さらに、知り合いにも「ノベルティなのにこんないいものもらっちゃったよ」と、話題にしてもらえるかもしれません。そうなれば、ノベルティによるイメージアップの効果も高まります。
最新の社会情勢やトレンドに合ったアイテムをタイムリーに選べると大きなインパクトがあり、「発想力が柔軟で、時代の動きにスピーディ対応できる企業」という好印象を与えます。
ノベルティに話題性を持たせ、企業のセンスを感じさせるには、日ごろからのリサーチが欠かせません。
バズるデザインならSNSで話題になる
ノベルティのデザインを考えるとき、もうひとつ意識したいのが「SNS映え」です。最近ではノベルティのラインナップの中にも写真映えを意識したものが増えています。
話題性があるノベルティにしたいなら、SNSに投稿して見映えしそうなセンスのいいデザインのものを選びましょう。
もらった人が「おもしろい!」「誰かにシェアしたい!」と思えるデザインにすれば、SNSにアップされて話題になる可能性もあります。
SNSに自社ノベルティをアップしてもらうことができれば、目に留める人が多くなります。
SNSで「バズるデザイン」を意識するのも、これからのノベルティ制作で欠かせない視点です。
効果的なノベルティ制作のポイント
ノベルティは配ったときだけではなく、その後も企業のイメージアップ効果が期待できるものです。
そのため、配ったものが使われなかったり、すぐに捨てられてしまったりするようでは意味がありません。
効果の高いノベルティにするためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。ノベルティのデザイン選びのチェックポイントとして意識しておきましょう。
ノベルティを作る目的を明確に
まず最初に考えておきたいのが、ノベルティを作る目的です。
ノベルティには「来店を促す」「購入した人への特典にする」などの目的があります。
ノベルティを何のために作成するのか、顧客にどんなふうに使ってもらいたいのかを明確にすれば、自ずとどんなアイテムを選べばよいのかイメージがしやすくなるでしょう。
来店を促すために効果的なノベルティとしては既存商品のサンプルがおすすめ。顧客にアイテムを使ってもらうことで、「実際に使ってみたい!」と思われれば、購入目的で店舗を訪れてくれるでしょう。
購入した人への特典にする場合、「◯◯円以上購入してくれた方にプレゼント」などと条件をつけることで、プレミア感のあるノベルティに仕上がり、顧客の購買意欲をそそることができます。
また、非売品をノベルティとして配布するのもおすすめです。お金を出しても買えない貴重なアイテムをもらった顧客は企業やブランドに対して好印象を抱くでしょう。
ノベルティを配る季節・シーンを想定
作ったノベルティをいつ、どこで配布するのかは重要なポイントです。
極端な例を言えば、真夏の屋外イベントでカイロを配っても受け取ってくれる方は少ないですし、真冬にうちわを配るのも同様です。
しかし季節が冬であれば、多くの方がカイロを「欲しい」と思い受け取って使ってくれます。
このように、いつどんな状況でノベルティを配るのかを考えておくと、受け取ってもらえる可能性が高まります。
ノベルティのターゲットを想定
「自社のターゲット層の人が好きそうなものは何か」を考えて用意することで、ノベルティとしてのPR効果がアップします。
漠然とアイテムを考えるのではなく、ターゲット層の年齢・性別・住む地域・職業などを想定しましょう。
ノベルティを誰に渡すのかを具体的にイメージするほどに、その人に合わせた選ぶべきデザインが見えてくるでしょう。
女性であればおしゃれで可愛いもの、男性であればシンプルでかっこいいものなど、ターゲットに合わせたデザインにすることで、より長く使ってもらえる可能性が高まります。
センスよく見せるデザインのポイント
同じアイテムを使ったノベルティでも、デザインのちょっとした点を工夫するだけでグッとおしゃれに仕上げることができます。
ここからはノベルティをセンスのいいデザインにするために押さえておきたい「ちょっとしたポイント」をご紹介します。
「書体」はおしゃれ度に大きく影響する
まずこだわりたいのが「書体」です。
ノベルティを作成する場合、企業名・商品名・メッセージなど、受け取る側にアピールしたいものを文字で入れることがほとんどでしょう。
企業名のロゴデザインなどはすでに決まったものがあると思われますが、メッセージを入れるならぜひ書体(フォント)にこだわってみてください。
ただ文字を入れるのではなく書体にまで気を配ることで、雰囲気がぐっと洗練され、センスを感じさせるものになるでしょう。
クリアファイルやボールペンは実用性が高く、制作コストが比較的安いノベルティ素材ですが、これらも印刷する書体や配置バランスにこだわれば、仕上がりをおしゃれにすることが可能です。
まずは色々な書体を比べて企画のイメージに合うものを探してみるところから始めましょう。
「印刷方法」で高級感UP
印刷方法にこだわることで高級感をアップすることもできます。
例えばロゴを箔押しにしたり、レーザー彫刻にしたりするなど、印刷方法を変えるだけでも与えるイメージが変わって存在感が増してくるものです。
インパクトのある仕上がりで、さらなる企業イメージアップが狙えます。
アイテム自体の「素材感」
おしゃれで素敵なノベルティにするためには、ノベルティにするアイテム自体の素材が重要です。
例えばエコバッグでも、素材がナイロンなのか厚手のコットン地なのか、エコバッグ自体の素材によってノベルティの魅力が変わり、デザイン表現の幅も変わってきます。
見せたいイメージに合わせてアイテム自体の素材にまでこだわって選びましょう。
オリジナルデザインに適したノベルティ
オリジナルデザインを施しやすい定番のアイテムについて確認していきましょう。
ボールペンなどの文房具
ボールペンや蛍光ペン、メモ帳、ノートなどオフィス用品は長年人気があり、オリジナルデザインにしやすいノベルティです。実際によくもらうことのあるアイテムなのではないでしょうか。
長年支持されているのにはやはり理由があります。これらは実用性が高く、いつでも使えるものなので、個人の好みにかかわらず使ってもらいやすいのです。
また、文房具なら使えなくなってしまうまで何度も手に取って使ってもらえるため、PR効果を持続的に発揮します。
作成コストを抑えながらも高い販促効果を得ることができる、ノベルティとしては優秀なアイテムです。
トートバッグ・エコバッグ
トートバッグやエコバッグなどのバッグ類もデザインが変更しやすく、よく選ばれています。これも実用性が高くて、コストパフォーマンスがいいノベルティです。
バッグ類はオリジナルデザインを入れられる面積が広いため、よりオリジナリティを表現しやすいでしょう。
また最近では幅広い業種の小売店で買い物袋の有償化が進められているため、エコバッグの需要が伸びています。
このように「欲しがっている人が多いアイテム」をリサーチしてノベルティにできればより効果的です。
しおり・ブックカバー
本にはさんで使うしおりやブックカバーなども人気があります。
これらはデザインの自由度が高く、全面に好きなようにイメージしたものを印刷できるので、伝えたいメッセージがある企業には特におすすめす。
タオル・手ぬぐい
タオルや手ぬぐいなども定番のノベルティです。これらも全面にデザインを施すことが可能で、長く使い続けてもらえることが多く、販促ツールやイメージアップツールとしての効果が長く続きます。
大きな面でアピールできるので、使い続けてもらえると記憶にも残りやすいでしょう。
うちわ・扇子・カレンダーなど季節もの
季節ごとの品物もおすすめです。夏にはうちわや扇子、年末が近づけばカレンダーなどがよく選ばれています。
季節ものは「ちょうど欲しかった!」と思ってもらいやすく、忘れる前にすぐ使ってもらうことができます。
うちわや扇子などはデザイン変更できる部分も広く、もともと派手めなものも多いので大胆なデザインも可能です。
カレンダーは大きなものも卓上カレンダーもどちらでも喜ばれます。
一度飾ってもらえればその年は一年中使ってもらえるので、販促・PR効果が高いノベルティです。
お菓子
お菓子のノベルティは話題性が高く、幅広い年齢層の人に喜んでもらえるでしょう。
商品自体に根強い人気があるお菓子のパッケージに社名等を盛り込み、簡単にノベルティにすることができます。そのため、コストを抑えたばらまき用としても定評があります。
クオリティにこだわるならデザインのプロに依頼
ノベルティのデザインを自社のオリジナルに変えられるなら、センスがよくイメージアップにつながるようなデザインを考案したいものです。
ただし、自社でおしゃれなデザインを作成できない場合は、手っ取り早くプロに頼むのがおすすめです。
特に「自社のロゴなどがもっと目立つようなデザインにしたい」「自社ブランドのオリジナリティを出したい」といった目的がある場合は、デザイン自体をしっかり設計しながら考える必要があります。
デザインの依頼前に注意すべき点
センスの良いデザインを作りたい場合におすすめなのが「デザイン専門の会社に依頼をすること」です。プロならば高クオリティで用途に合ったデザインを作ってくれます。
注意点として、デザイン会社に依頼する場合には、実際にデザインを依頼する前に社内でノベルティ企画の方向性を確認・合意しておくことが大事です。
デザイン会社に案を出してもらった後から「やっぱり変えてほしいと上層部から意見が出た」などと修正を依頼しても、思い通りにデザインを直してもらうことは困難です。
一度考えたものを考え直してもらうのであれば再度デザイン料が必要になるのが基本です。その分時間もかかってしまいます。
そんな無駄や行き違いが発生しないよう、最初の依頼段階から関係者全員で話を詰めておく必要があります。
最初にきっちりと自社の考えをまとめて伝えておくことで、依頼する側のニーズに合ったデザインを考えてもらいやすくなり、より満足のいく仕上がりが目指せるでしょう。
なお、自社のロゴなど、デザインに取り入れてもらいたいものは事前にすべてデザイン会社に伝えてください。
ノベルティのデザイン料は?
デザイン会社にオリジナルデザインの作成をお願いする場合、そのデザイン料はどのくらいかかるのでしょうか。
結論から言うと、金額はその会社によります。デザイン料には相場となるようなものはなく、料金には大きな幅があります。
簡単すぎるくらいのデザインに見えたとしても、実際には莫大なデザイン料がかかっている場合も……。
アイデアを出し、どんなデザインがいいかを調査するなど、シンプルなものであっても制作に長い時間がかかっていることもあるからです。
また、一度デザイン案を出してもらったあとで、イメージに合わないなどの理由から作り直してもらった場合には、追加でデザイン料がかかる可能性があります。
それ以外にも、大手デザイン会社に依頼をした場合はデザイナー以外にも営業マンなどの人員や設備コストなどが重くなるため、デザイン料も高くなる傾向にあります。
まとめ
今回はセンスを感じさせるノベルティ制作の注意点を確認しました。
ノベルティはオリジナリティを出して自社のイメージアップにつなげることができます。
「センスのいいデザインを作る自信はないけれど、オリジナリティは出したい」という場合にはデザイン会社への依頼がおすすめです。
コストや手間をかける以上は、その分の効果にもこだわりたいところ。
おしゃれで話題性を狙ったデザインにするなど、企業のイメージアップにうまく繋げられるように戦略を練りましょう。