カーディーラーの集客手段のひとつに、来店客へのノベルティ配布があります。一般的に、カーディーラーのノベルティと言えば、高級感のあるものやデザインが洗練されているものが多く、好評を集めている事例もたくさんあります。
既存顧客だけでなく、「ディーラーには入りづらい」と思っている方にとっても、ノベルティは気軽に立ち寄ろうかな?と思ってもらえる最初のきっかけとして有効です。
今回の記事では営業アプローチにつながるノベルティを効果的に作成・配布する方法や、ノベルティを配るターゲット層、顧客に喜ばれるノベルティの具体例について詳しくご紹介します。
自動車ディーラーのノベルティ戦略
自動車ディーラーの多くが、集客手段として配布するノベルティ。期待できる販促効果を整理してみましょう。
気軽に来店するきっかけに
一般的に車を購入する、買い替えるということは多額の費用がかかるため、決断まで時間を要することが多いものです。また、車に興味があっても、カーディーラーはコンビニのように入りやすい場所だとは誰も思っていないことでしょう。
そこで、ただ宣伝広告を打つだけではなくオリジナルノベルティを配ることを告知することで、たくさんの方に集まってもらいやすくなるでしょう。
人が集まり店舗のにぎわいを演出できる
新規顧客を獲得するためには、まず来店者を増やすことがセオリーと言われています。人間の心理として、人がまばらの店舗は入りづらいものです。
その反面、イベントを企画し多くのお客様でにぎわっている店舗だと何が行われているのか気になり、足を止めて立ち寄ってみたくなります。ノベルティを用意することは、それほど興味がない方でも、気軽にカーディーラーに立ち寄るきっかけとなります。
店舗に多くの方を集めることで、新しい顧客に社名、車種名を覚えてもらうことができるでしょう。
ノベルティを配布するメリット
ノベルティグッズの配布には様々なメリットがあります。主なメリットは以下のような効果です。
記憶に残るので、また行こうという気持ちになる
ノベルティグッズには社名や商品名サービスなどが記載されていることが多く、いつまでも記憶に残りやすいものです。
例えば、ボールペンやエコバックなど日常的に使用できて長く使えるものだと、普段の生活に使用することが多いでしょう。ふと、使うたびにその名前が目に入ります。名前が目に入れば入るほど、覚えられて記憶に残るでしょう。
記憶に残ることで、再びサービスを受けたい思った場合、毎日見ている名前が思い出されるのです。名前を覚えているとそこに行ってみようという気になります。
配布したその場では購入に繋がらないにしても、ノベルティグッズが手元にあることで、その後にお客様が戻ってくる可能性が高まります。
ただし、「社名」を入れたノベルティでないと、もらった人は後になって「これはどこでもらったかな」と記憶が薄れてしまうかもしれません。
持っている本人だけでなく周囲への宣伝にも
ノベルティグッズは宣伝としての効果も発揮します。ディーラーの名前や車の名前などが入っているノベルティグッズを持って歩く人がいれば自然と周りの人の目に付きます。
例えば、ショップの名前入りのポーチをもらった人がオフィスで使用すれば、周りの人の目にも入るでしょう。同僚はそのポーチの名前を何度か見るたびに記憶にすり込まれて、名前だけは覚えてしまうものです。
このように、周りの人もノベルティグッズを見ることで店名を意識してくれるので、お店の宣伝につながるのです。
ノベルティ配布をする効果的なタイミング
では、実際にノベルティを配布する際にもっとも効果的なタイミングはいつでしょうか? そこには自動車ディーラーならではの来客タイミングを深く考えていく必要があります。
「新車種発表記念」「〇周年記念」などイベント開催時
どのカーディーラーでも、新しい車が発売された時の発表会や、試乗会、オープン記念、周年記念など、さまざまなイベントが開催されています。DMや新聞、広告折込などで告知を行うと、既存客だけでなく、飛び込み客など普段よりも多くの方が来店します。
イベントは集客が目的ですので、車の購入を考えているお客様だけではなく、ノベルティのみが目当て、飛び込みなど、購入目的以外の方も多く来店するでしょう。その際、ただノベルティを配るよりおすすめの方法が「アンケートへの感謝の品」として渡す方法です。
アンケートの回答をしていただいた見込み客に「来場記念」として丁寧に梱包されたノベルティを、手提げ袋も付けて渡すようにしましょう。
店舗側の気遣いを感じると、ふらっと立ち寄っただけのノベルティ目的のお客様の心にも響き、好印象を持ってもらえます。
メンテナンスや修理を依頼された時
カーディーラーには、車の購入を考えている既存顧客のみが来店するわけではありません。アフターサービスを受けたい、定期的な点検やメンテナンス、修理をしてほしい、購入した車にオプションを付けたいなど、さまざまな目的のお客様が来店されます。
アフターサービス目的の顧客でも、サービス完了の際に車種や社名が入ったノベルティをさっとお渡しすれば話のきっかけとなりえます。既存顧客とのちょっとしたコミュニケーションツールとして、ノベルティを効果的に使いましょう。
試乗や下取り査定サービスを受けてもらった時
車はかなり大きな買い物ですから、ウィンドウショッピングでパッと見てさっと購入するようなことはなく、じっくりと時間をかけて購入を決める方がほとんどです。
車の購入を今すぐには考えていないお客様は、ディーラーに行っていきなり商談をするのは抵抗があることが多いでしょう。しかし、下取り査定や試乗だけなら心理的なハードルが下がります。
この時、査定や試乗したお客様にノベルティを渡せば、営業マンの説明に気軽に応えてもらうきっかけになるでしょう。
ノベルティ選定はターゲットに合わせて
ノベルティとして渡すアイテムは、イベントの趣旨・キャンペーン内容・ターゲット層などに合ったものを選びましょう。
どんなアイテムをノベルティにするか考える上で、ターゲット層は特に重要な要素です。ここではディーラーに多く訪れるターゲット層を考えてみましょう。
ファミリー層なら子供向けアイテムを
子どもが増えたので車を新たに購入したり、それまでの車からファミリータイプの車へと買い替えを検討したりするご家庭は少なくありません。
しかし、購入を希望していても、小さな子どもがいるとディーラーに行っても商談を落ち着いて進めることができないだろうと心配されるケースも多々あります。
そんなファミリー層には、ペーパークラフトやミニカーなど、商談中に子どもが遊べるような子どもを意識したノベルティを用意して渡すせば商談が進みやすくなります。また店舗側のこまやかな気遣いに、お客様は好印象を抱いてくれるでしょう。
購入の決定権を持つ女性の目線で
昨今は女性ドライバーはごく当たり前になりました。また、家庭において家計を管理し、お金の使い道の決定権を持つのが女性であることも多いようです。
カーディーラー店内においても、女性目線を意識した店舗づくりに取り組み、イベントを計画しているところも多いようです。
ノベルティも同様に女性の好みを意識したグッズをプレゼントすれば、ディーラーに対する印象がぐっと良くなるはずです。女性は特にカラーなどのデザイン性を重視したものや、美容に関係があるものが喜ばれるでしょう。
購入意欲の高いシニア層
サポカー補助金制度が広まってきたこともあり、車の買い替えを考えるシニア層も少なくありません。
定年退職を迎える世代はまだまだ気持ちも若くて人生を楽しもうという姿勢があり、購入意欲が高いと言われています。
そんなシニア層に向けたノベルティを贈れば本人にも好感を持ってもらえる上、高齢者の家族にも良い印象は波及するでしょう。
ディーラー・車種に似合うノベルティ
自社で扱っている車種や店舗の雰囲気に合わせてノベルティも変えるのがおすすめです。
高級車のディーラーならVIP向けノベルティ
高級車のディーラーに来店する客層は、身の回りのものは「良いもの」で揃えたい方でしょう。
また、ノベルティがあまりに安っぽいと高級車ディーラーの雰囲気にそぐわないはずです。
店舗自体の格を落とさないためにも、高級車のディーラーでお渡しするものならVIP向けのノベルティを用意すると良いでしょう。
高額な車種が売れることを想定すれば、その分ノベルティ制作にも十分な予算を掛けられます。目の肥えた顧客に満足してもらえるようなワンランク上の特別なプレゼントを贈ればさらに喜ばれ、今後のお付き合いの潤滑油にもなるでしょう。
具体的なアイテムとしては、木箱入りのワインツールセットなど、プレミアム感を感じられるものがおすすめです。
ワゴン車メインのディーラーならファミリー向けノベルティ
ワゴン車をメインで販売しているディーラーなら、メインターゲットはファミリー層でしょう。ファミリーに向けたノベルティを贈ると喜ばれるはずです。
先述したように、子どもを意識したノベルティであれば商談中に子どもが手持ち無沙汰にならず、スムーズな商談ができます。親から見ても子どもに気を遣ってくれると好印象です。
子どもが喜ぶノベルティを選ぶときには親の視点から見た安全性のチェックもしましょう。たとえば小さな子供が口に入れないようにノベルティの大きさ・素材にも配慮が必要です。
トラックのディーラーなら長時間運転で欲しくなるノベルティ
トラックのディーラーなら、もちろんメインターゲットはトラックを使う人々です。長時間運転をしているトラック運転手やその人たちを雇っている企業がターゲット層なので、長時間運転をしたときに役立つものをノベルティにすると喜んでもらえるでしょう。
具体的なアイテム事例として、スマートフォンの充電が切れたときに車の中で充電できるカーチャージャーや、長時間同じ体勢でいることによる肩こりの対策ができる癒しグッズなどがおすすめです。
ノベルティ用のアイテム選定ポイント
ノベルティグッズを選ぶ際にはいくつかのポイントがあります。何も気にせずに選んでしまうと宣伝効果につながらず、配る意味がなくなってしまう可能性もあります。
そこで、お客様のことを考えた上でいくつかの注意点をご紹介します。
お客様がもらって嬉しいものを考える
ノベルティグッズは使い勝手を考えて選ぶようにしましょう。お客様がどのようなものをもらうと喜ぶのか、日常的に使えるものはどれか、使いやすいものはどれなのかなど、使い勝手を考えることが欠かせません。
あまり実用性のないものを渡すと使ってもらえず、ノベルティグッズの販促効果が失われてしまいます。宣伝効果もなく、記憶にも残りません。
逆に使いやすいものだと店舗側の気遣いも感じられ、満足度が向上して記憶に残りやすくなります。
ノベルティを日常的に使用する頻度が高ければ高いほど記憶に残ります。例えば、仕事で使用するものや家で毎日使うものなど、毎日使用することを考えた上で選びましょう。
オリジナリティとセンスあるデザイン
オリジナリティがあるものは記憶に残りやすくおすすめです。オリジナリティのあるノベルティグッズを選ぶことで、印象に残りやすく、お客様にとっても魅力的でしょう。
独創性のあるノベルティを作成することができれば、それを見たお客様からこのお店はセンスのあるお店だと認識されるはずです。しかし、お客様に「どこでもよく配っているようなもの」と思われてしまうと同業他社との差別化を図れません。
たかがノベルティ1つと思わずに、店内のレイアウトなどと同じように考えましょう。お店のセンスが反映されているノベルティならイメージアップにつながります。
喜ばれないノベルティ、ここに注意
ノベルティの選択肢は多岐にわたります。しかしお客様に喜ばれないベルティを配布しても意味がありません。その特徴として以下が挙げられます。
- どこか安っぽい、使ったらすぐに故障した
- そもそも使い道がない、使い方がわからない
- 持ち歩きしにくい(大きすぎる、重たいなど)
- 企業名が大きく印刷されており、普段使いしにくい
- すでにたくさん持っている
そもそもノベルティをいくら配布しても実用性がなければ喜ばれません。
無料配布するノベルティはコストを抑えて作ってしまいがちです。しかしあまりに安っぽいと、結局は使ってもらえなくなってしまいます。
制作のコスト面は重要ですが、実用性の高さ・使いやすさも両立できていることが大前提です。ノベルティの企画段階でしっかり検討しましょう。
ディーラー向け、おすすめのノベルティ品
さらに、自動車ディーラー向けのおすすめノベルティグッズについて考えてみましょう。
カー用品やミニカーが好評
自動車を販売する店舗のため、顧客は日常的に自動車に乗る方、ドライブが好きな方、興味がある方ばかりです。
ノベルティに適した品として、サンシェード・スマホスタンド・カラビナ・ライトが付いているキーホルダーなどのカー用品は普段使えるため喜ばれるでしょう。
また、コレクターが存在するほど人気が高いノベルティが「販売車種のミニカー」。子どもだけでなく、どの年代にも喜ばれるでしょう。
タッチペン付きボールペン
ボールペンもカーディーラーの来店用ノベルティにおすすめです。
日常生活で必須のボールペンはカバンごとに1本ずつ入れている人や、複数本を使い分ける人もいます。
単価が安く、来店用ノベルティとして用意しやすい定番の品ですが、それだけに他社と被ってしまいがちで、ブランディングにつなげるのは難しい品です。
しかし、それは普通のボールペンをノベルティに使用した場合のことです。最近では性能の良いボールペンもノベルティ用途で登場しており、書き味の良いものや複数カラー使用のボールペンもあります。
おすすめはボールペンにタッチペンが付いたタイプです。スマートフォンをカーナビとして使用していると、手が濡れているなど様々な要因でタップしても認識しないことも。こんなときに、タッチペンがあれば操作の問題を解決できます。
タッチペンが付いたボールペンをノベルティにすれば使用する機会が多くなり、自社のブランディングにつながります。
ラップ
生活必需品のラップは来店ノベルティとして喜ばれる一品です。とくにファミリーカーがメインとなるようなカーディーラーであれば、女性に喜ばれるノベルティになります。
メッセージを入れることができるラップもあり、毎日使う頻度の高いラップは自社のブランディングに繋がります。
「消費者の生活を考えている企業」として、印象付けられるでしょう。
モバイルバッテリー
スマートフォンやタブレットを持ち歩く人にとって必須の品が、コンセントの無い出先でも機器を充電できるポケットバッテリーです。ドライブで長時間外出する人にとって、もらうと嬉しいノベルティになります。
モバイルバッテリーは容量によって重さが異なるので、既に持っていても用途によって使い分けたり、家族や友人に貸したりすることもでき、複数あっても邪魔になりません。
最大のメリットは多くの人に「比較的値段の張るノベルティ」と認識してもらえることです。そのため、捨てられる可能性が低く、ノベルティ目当てで来店されるお客様も十分あり得る、集客力の高さが魅力です。
実用性があるので使用頻度も高くなり、常にカバンに入れてもらえればそれだけ自社の名前を覚えてもらえる可能性も上がります。また、ノベルティとしてはあまりもらう機会がないため、プレミアム感も演出できます。
「特別なお客様にだけお渡ししています」などの言葉を添えて贈るとさらに喜ばれるでしょう。
ちょっとしたお出かけにも便利「トートバッグ」
トートバッグは来店用ノベルティにおすすめです。トートバッグをノベルティにすると、車のカタログや見積もり書を持って帰っていただくときにさっそく中に入れて使ってもらえます。「気が利いているカーディーラー」として、イメージアップできるでしょう。
また、トートバッグは普段のちょっとしたお出かけに使えるため、重宝してもらえる定番ノベルティです。お買い物のときや荷物がたくさんあるとき、仕事や学校など色々な場所で使用できます。
トートバッグの中でも、折りたたみ式や分厚い素材、大小のサイズ、多彩なデザインなど様々な種類があります。好きなようにデザインできるからこそ、自社のオリジナリティを表現したいときのノベルティグとして適したグッズです。
折りたたみ式は持ち運びがしやすく、丈夫な素材は重いものを入れても問題ありません。このように、機能性を重視することで使用頻度が上がり、より企業イメージアップがはかれるでしょう。
まとめ
カーディーラーでノベルティをもらうと、もらった方はそのディーラーが扱っている車に対して、好感を持つことになります。ノベルティにプリントされた社名や車種名は、良い記憶として顧客にインプットされます。
その方自身が車を購入しなくても、その方が受けた良い印象は家族や友達、知り合いに口コミで広がっていくことでしょう。
良い口コミは、結果的に顧客獲得につながる可能性も高めてくれます。ノベルティを上手に活用して、イメージアップや集客につなげましょう。